2.5G/3G携帯電話の要素技術 ――通信以外の機能が充実し,複合サービス端末へ変身

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年1月 8日

●ディジタル・カメラ:画像センサと圧縮技術で実現

 携帯電話の機能の中で,エンド・ユーザにとってもっともわかりやすい機能がこのカメラ機能です.カメラ機能はイメージ・センサと呼ばれるハードウェアと,保管やメール転送のためのデータ圧縮ソフトウェアによって実現されています.

 イメージ・センサには,CMOSセンサとCCD(charge coupled device;電荷結合素子)センサがあります.それぞれの特徴を表2に示します.これまでCMOSセンサは,CCDセンサと比べて画質が悪く,感度も低いと言われてきました.しかし,最近ではCMOSセンサの性能が改善し,携帯電話のカメラにCMOSセンサを採用するメーカが増えています.

 カメラの機能を語るとき,イメージ・センサの画素数がよく引き合いに出されます.現状の画素数は,上位機種が31万(640×480),それ以外の機種が11万(352×288)となっています.ディジタル・カメラ製品と同様に,携帯電話のカメラの画素数も今後増えていくようです.2003年後半には100万画素(いわゆるメガ・ピクセル)を超える携帯電話向けセンサ・モジュールが出荷されるようで,それを搭載した携帯電話が市場に出回るものと思われます.

 J-フォンの「ムービー写メール」に代表される動画の取り込みは,静止画の場合と同じイメージ・センサを使って行います.この場合,1秒間に複数の静止画を連続撮影し,それをつないで動画のように見せています.携帯電話で使われているイメージ・センサは30フレーム/s(fps)の速度で取り込む能力を持っていますが,現在の動画の取り込みは15フレーム/s程度で行われています.CMOSセンサはCCDセンサに比べて消費電流が小さいので,連続動作が必要になる動画の取り込みに向いています.

〔表2〕CMOSセンサとCCDセンサの比較

センサの方式
サイズ
消費電力
コスト
チップ構成
CMOS
小さい
低い
小さい
2チップ
CCD
大きい
高い
大きい
4チップ
組み込みキャッチアップ

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