2.5G/3G携帯電話の要素技術 ――通信以外の機能が充実し,複合サービス端末へ変身

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2003年1月 8日

 同様のトレンドに従った製品として,米国Texas Instruments(TI)社の「OMAP」と米国Intel社の「Xscale」などがあります.TI社はOMAPを発売する以前から2G携帯電話向けにベースバンドLSIを供給していました.その延長線上でOMAPチップを開発しているため,OMAPチップにはコミュニケーション・プロセッサの機能も取り込まれています.また,CPUコアにはARM9を利用しています.

 Xscaleは携帯電話よりもPDAへの採用が先行しています.近い将来,携帯電話の機能とPDAの機能がほぼ一致したときに,携帯電話向けのアプリケーション・プロセッサとして注目を集めることになると筆者はみています.それぞれのプロセッサの特徴を表4にまとめます.

〔表4〕携帯電話用アプリケーション・プロセッサの例

プロセッサ名
開発元
対 象
備 考
SH-Mobile 日立製作所 2.5G,3G アプリケーション・プロセッサの業界標準を目指す
OMAP Texas Instruments社 2.5G,3G 2G用チップ・セットをベースにC-CPU機能を取り入れる
Xscale Intel社 3G PDA向けとして売り込み,将来は携帯電話向けにも展開


参考・引用*文献

 (1) 「加賀電子とリンク・エボリューション,赤外線通信用IC開発」,『日経産業新聞』,日本経済新聞社,2002年10月9日.


おおた・ひろゆき
加賀電子(株)

◆筆者プロフィール◆
太田博之.20年近くにわたりGPS,携帯電話,ワイヤレスLAN,Bluetooth用システムおよびシステムLSI開発を経験.現在はBluetooth開発アライアンスhimicoプロジェクト(http://www.himico.com/)にコーディネータとして参加.システムLSI開発から次のフェーズへのステップアップを模索中.趣味は,あまたある標準通信規格をだれよりも早く理解すること.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日