高速インターフェース規格ガイド ――Serial ATA,3GIO,InfiniBandから10GビットEthernetまで
●Serial ATAは4層構成
Serial ATAは,物理層,リンク層,トランスポート層,アプリケーション層の4階層から構成されます.
1)物理層
Serial ATAでは,送信と受信が別々の信号線を持ち,それぞれが+信号と-信号による差動伝送を行います.そのため,合計で4本の信号線から構成されます(図2).
2)リンク層
リンク層は,フレームの送受信や通信を制御するためのプリミティブと呼ばれる制御キャラクタの送受信を行います.また,物理層での転送に適したデータ形式への変換(8b/10b変換),フレーム・ペイロードのスクランブルおよびCRCの生成/チェックもリンク層が行います.
3)トランスポート層
トランスポート層では,FIS(Frame Information Structure)と呼ばれるフレーム・ペイロードの構築や,受信したFIS内の構成要素の解析を行います.FISには,コマンド発行時にレジスタの内容をホストからデバイスに対して転送するRegister FISや,データ転送時に使うData FISなどがあります.
4)アプリケーション層
アプリケーション層の機能としては,ソフトウェアからアクセスするためのレジスタ・セット,DMA処理,コマンドの解釈・実行などが挙げられます.アプリケーション層の仕様は,規格で厳密に定義されているわけではなく,実装に依存する部分が多くあります.
〔図2〕Serial ATAのコネクタおよびケーブル
Serial ATAでは送信と受信が別々の信号線を持ち,それぞれが+信号と-信号による差動伝送を行うため,合計4本の信号線から構成される.また,コネクタには4本の信号線に加えて,シールド用のグラウンド・ピンを3本持つ.