高速インターフェース規格ガイド ――Serial ATA,3GIO,InfiniBandから10GビットEthernetまで

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2002年6月17日

11.10GビットEthernet

LANの枠を超えWANへ展開

塩澤昇

 LAN(local area network)として広く普及しているEthernetの原形は,1973年,米国Xerox社Palo Alto Research Center(PARC)のRobert Metcalfe氏らによって開発されました.当初,3Mbpsであった伝送速度は,1979年には,DIX仕様(米国DEC,Intel社,Xerox社の共同規格)のもと10Mbpsになりました.そして1983年に,DIX仕様をベースに,IEEEの802委員会(主に物理層とデータリンク層を扱う)が10BASE-5(IEEE 802.3)として初めて規格化しました.1990年には,これまでの同軸ケーブルに比べて安価で敷設が簡単な非シールドより対線(UTP)による10BASE-T(IEEE 802.3i)がリリースされ,普及に弾みがつきました.その後,100BASE-TX(IEEE 802.3u),ギガビットEthernet(IEEE 802.3z)がやつぎばやに承認されました.そして2002年3月,トラフィックが年々増加しているWANのサポートを見据えた,10GビットEthernet(IEEE 802.3ae)が規格化されました(図15)

●Ethernetのしかけ

 Ethernetは,一つの媒体を共有使用するマルチアクセス方式の一つです.データリンク層におけるメディア・アクセス制御(MAC:Media Access Control)は,比較的簡単なしかけのキャリア・センスと衝突検出(CSM/CD:Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)で 行われています.

 送信では,まず送信前にほかの送信元がないかを確認するキャリア・センスを行い,ほかの送信元がないと送信を開始します.送信中は,ほかの送信元と同時送信がないかを調べる衝突検出を行い,衝突検出時には,送信の中止,ジャミング信号の送信,乱数による再送までの待機時間の設定(最大再送回数15回)を行います.

 受信では,同期信号を受信データから検出します.このとき,連続した'0','1'では信号が切り換わらず,同期化が困難になります.このため,ヘッダ・フレームを付加したり,冗長ビットを持たせるコード変換(4b/5b,8b/10b)を行います.また,伝送帯域を抑えるために,NRZ(non return to zero),NRZI(non return to zero inverted),MLT-3(Multi Level Transmission-3)などのさまざまな符号化を行います.

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〔図15〕Ethernetの推移
1973年にXerox社のPalo Alto Research Center(PARC)のRobert Metcalfe氏らによって開発された10年後にEthernetはIEEE規格となった.その後も価格面や性能面で改善が進み,2002年3月,10GビットEthernet(IEEE 802.3ae)が規格化された.

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