低コスト・低消費電力のカーナビ・システムを構築するためのハード&ソフト設計 ――拡張性のあるプロセッサ・ベースの開発プラットホーム作り

Paffen Matthijs

tag: 組み込み

技術解説 2006年3月 1日

● パワーダウン時のトラフィック・メッセージの捕捉

 駐車中にナビゲーション・システムが起動されていない場合,RDS/TMCメッセージは受信も保存もされません.反面,ナビゲーション・システムは消費電力が多すぎるため,常時起動しておくことはできません.

 駐車時のメッセージを保存するためには,リアルタイム・クロックでプロセッサを起動し,低いデューティ比でシステムの一部だけを稼働させることによって消費電力を低減するという方法を用いることができます.このとき,待機状態の本プロセッサはリアルタイム・クロックに電力を供給するために3.3Vで170μWを消費することになります(1).プロセッサはときどき稼働して,ラジオのトラフィック・メッセージを受信します.こうすれば,プロセッサはCPUパワーを100%使用する必要がなく,消費電力を節約することができます.

 この目的のため,内部電圧が0.8Vで50MHz動作のオンチップ電圧レギュレータを使用しています.アプリケーション・ソフトウェアごとにプロセッサを設定する個別のカーネルでブートすることにより,稼働中のプロセッサのCPUパワーを低減しています.このとき,プロセッサの内部回路は49.5mWを消費しますが,外部電力は無視できます(1).駐車時の平均消費電力は,デューティ比δ(ほぼ24時間の平均値)によって決まります.これは稼働時間を表すものであり,以下の式で計算されます.

  PDDAVE=δ×PDDINT+(δ-1)×PDDRTC

  ここで,PDDAVEは平均消費電力,PDDINTはプロセッサ内部の消費電力,PDDRTCはリアルタイム・クロックで消費される電力

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