低コスト・低消費電力のカーナビ・システムを構築するためのハード&ソフト設計 ――拡張性のあるプロセッサ・ベースの開発プラットホーム作り

Paffen Matthijs

tag: 組み込み

技術解説 2006年3月 1日

3.消費電力算出における"車載"特有の留意点

 システムのボード設計を開始する前に,消費電力の推定値を計算することが重要です.自動車業界では,情報系システムに対する動作温度範囲の要件として最大85℃と規定されています.このことは,電源電流の要件も規定されることを意味します.

 以下に示す例では,標準的なアプリケーションがDSP(ここではBlackfinプロセッサ)で実行されていることを想定して消費電力を計算しています注4

 注4;デバイスの動的電流および静的電流の詳細は参考文献(1)を参照のこと.また,周辺機器用のプリント基板上で電流を駆動するI/Oドライバの決定については参考文献(2)を,対応する外部電源については参考文献(3)を参照のこと.

● 温度依存の静的電流と温度に依存しない動的電流

 Blackfinプロセッサには二つの電圧領域があります.一つは内部論理回路(コア)電圧で,もう一つはI/O電圧です.二つの積和演算回路を75%,加算演算回路を25%実行している標準的なアプリケーションでは,消費電流の測定値は次のようになります(1)

  IDDTYP_DYN(500MHz)=IDDTYP(500MHz)-IDEEPSLEEP(25C)=190-31=159[mA]

    ここで,IDDTYP_DYN(500MHz)は500MHz動作時の動的電流,

    IDDTYP(500MHz)は500MHz動作時の消費電流,

    IDEEPSLEEP(25C)は動作温度25℃における静的電流

 なお,動的電流(論理回路のスイッチングの際に流れる電流)は温度に依存しません.

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