干渉を起こさない2.4GHz帯ワイヤレス通信を実現する ――ノイズ発生のメカニズムとDS-SSスペクトラム拡散方式による干渉の回避
一方,相関器の限界値を超えた場合,受信データ・ビットは破損した形で受け取られるのではなく,「消去」されます.データの消去はエラーの発生よりもずっと訂正が容易だからです.なお,データが消去される確率に比べてデータが破損する確率は無視できるほど小さくなります.なぜなら,大半のチップを破損するほどの干渉が起こらないかぎり,データの破損にはつながらないからです.
また,データ・バイトごとに排他的論理和(EXOR)をとり,得られたチェック・サムを各パケットの最後のバイトとして送信することで,受信パケット内のビットごとに1個のエラーを訂正できます.例えば,WirelessUSBシステムでは,10%を超えるチップ・エラーを起こしている周波数においても,エラーなしに良好にデータを受信できます.WirelessUSBシステムは干渉への耐性が高く,多くの場合,屋内では50m以上の通信距離を確保します.