つながるワイヤレス通信機器の開発手法(16) ――デバッグを行う

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2005年3月16日

● 実機とシミュレーションの橋渡し

 最近のロジック・アナライザはWebサーバ機能を備えており,Ethernetケーブル経由でワークステーションやパソコン上にあるHDLシミュレーション結果と,プロトタイプから吸い上げた情報の両方を比較することができる.この機能を利用して,ロジック・アナライザで吸い上げたデータをVerilog HDLシミュレータの出力の期待値として使用すれば,実機とシミュレーションの相違点を容易に見つけることができる.例えば,高周波回路やアナログ回路についてはVerilog HDLシミュレータやテスト・パターンではなかなか現実的なモデルを作ることができない.このとき,実機(プロトタイプ)のデータをロジック・アナライザで取り込み,LANを通じてワークステーションやパソコンに転送してrft.datとする.パソコン上のファイルrfr.datを$readmemhで読み込み,シミュレータで検証する.実信号を利用することで,モデル化が難しい高周波回路のデバッグが可能になる.

 また,この手法を使用すると,プロトタイプができ上がる前にデバッグに入れる.


おおた・ひろゆき  加賀電子(株)
<筆者プロフィール>
20年以上にわたり,通信関連のエンジニア,エンジニアリング・チームのマネージャ,コンサルタントと,技術出身者としてはまっとうな(?)成長段階を経て,現在は電子専門商社にてマーケティング,新事業企画に従事.得意領域はこれまでのGPS,携帯電話,ワイヤレスLAN,Bluetoothに加えて,VoIP技術,テレマティクスとその領域は今でも広がり続けている.

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