つながるワイヤレス通信機器の開発手法(16) ――デバッグを行う

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2005年3月16日

● UARTを使ってソフトウェアの詳細な動作確認を行う

 また,観測だけでなく,UARTの信号を用いて内部のレジスタなどに直接値を設定する機能をモニタ・システムに組み込む場合もある.このようにすることで,図8のようにプログラムの一部を外部に持ち出してソフトウェアの動作をさらに詳細に確認することができる.最終的なシステムは図3のようになるが,その前のプロトタイプとして図8のようなFPGAと汎用CPUを載せたボードを用意する.プロトタイプ上の汎用CPUは,最終システムのように通信用ファームウェアを搭載するのではなく,レジスタへの書き込み機能を持つモニタ・プログラムを搭載する.

 通信用ファームウェアや上位アプリケーションは,UARTでつながったパソコンに搭載する.このようにすることで,デバッグ検証を分業して進めることができる.例えば,最終回路のCPUは通信用ファームウェアとしてTCP/IPのプロトコル・スタックとZIPなどのファイル圧縮機能を備えるとする.このとき,図8のようなプロトタイプの構成をとっておくと,Windows OS上で動作するTCP /IPプロトコル・スタック(WinSock)やファイル圧縮ソフトウェア(WinZIP)などをそのまま流用できる.

 ;厳密にはWinSockはTCP/IPプロトコル・スタックではないが,便宜上同じものとして説明する.

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図8 モニタ・プログラムによるデバッグ
UARTの信号を用いてハードウェアのレジスタなどに直接値を設定する機能をモニタ・システムに組み込んでおく場合もある.このようにすることで,図のようにプログラムの一部を外部に持ち出してソフトウェアの動作をさらに詳細に確認することができる.

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