つながるワイヤレス通信機器の開発手法(16) ――デバッグを行う
3.実機の内部状態の観測
Verilog HDLシミュレータでは,システム・タスクを使用して内部信号を観測したり,初期値を設定できる.そのため,シナリオの状態を強制的に制御したり,シナリオで観測する信号波形を出力することは容易に実現できる.
しかし,プロトタイプや最終回路では,シミュレーションのように内部状態を観測したり,制御したりすることは困難である.これを解決するために,モニタ・プログラムを使ったシステムを実現する.モニタ・プログラムの詳細は前回に説明したが,このモニタが吐き出すメッセージを簡易スクリプトと同じものにしておくと,それら二つを照合することで回路が正常に動作しているかどうかを容易に確認できる.