つながるワイヤレス通信機器の開発手法(16) ――デバッグを行う

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2005年3月16日

4.検証の一元化とシナリオ・ジェネレータ

 図8のように,システムLSIができ上がる前にFPGAと汎用CPUを搭載したプロトタイプを作るケースは多い.このとき,システムLSIに組み込むCPU(コア)とプロタイプに使用する汎用CPUが異なり,ユーザ論理のCPUインターフェースの部分を調整しなければならない場合がある.このような場合,Verilog HDLのソース・コード内に`ifdefでインターフェースを切り替えられるようなしくみを埋め込んでおき,論理合成を行うときに切り替えて使用する.

 例えば,以下のように記述しておけば,システムLSIの論理合成を行う際にコンパイル・オプションにSYSTEM_LSIを付けることでシステムLSI用のCPUインターフェース回路が生成される.プロトタイプ用回路を生成する際はコンパイル・オプションを付けずにコンパイルすればよい.

  `ifdef SYSTEM_LSI //システムLSI用
  `else  //プロトタイプ用
  `endif

 プロトタイプと最終回路の間で,`ifdefで切り替える部分は,インターフェース,信号モニタ用に引き出した信号線,ピン配置,クロック入力方式などである.これらの部分はシミュレーションでしか動作を確認できないので,入念なチェックが必要になる.この手法はCプログラムでも使用できる.モニタ・プログラムを介してつないだパソコン上でプログラムを開発した場合,コンパイル・オプションを使ってターゲットであるシステムLSI内のCPU用に切り替えてオブジェクト・コードを生成する(図10)

f10_01.gif
図10  コンパイル・オプションの切り替え
モニタ・プログラムを介してパソコン上でプログラムを開発した場合,コンパイル・オプションを切り替えて,ターゲットであるシステムLSI内のCPU用のオブジェクト・コードを生成すればよい.なお,本図ではモニタ動作用のCPUは省略している.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日