つながるワイヤレス通信機器の開発手法(16) ――デバッグを行う
● パターンをランダムに生成するプログラム
シナリオ・マトリックスを作っても,すべてのパターンを考慮することが難しいケースもある.このようなとき,シナリオ・ジェネレータが有効になる.
表2に着目すると,それぞれの受信についてデータをまちがえるか,まちがえないか,また,まちがえるとすると何回まちがえるか,などがパターンとして考えられる.これらの事象をランダムに生成するプログラムがシナリオ・ジェネレータである.図11に,表1をもとにして作成したシナリオ・ジェネレータの例を示す.
シナリオ・ジェネレータは,非常に多くのシナリオ・パターンを容易に生成できる.しかし,生成したシナリオは検証されないと意味がない.通常は,図12のようにシナリオ生成から検証作業までを自動化し,生成されたログ・データから動作の成否を決める.場合によっては,シナリオ・パターンを生成するときに期待値データまで生成し,ログ・データと期待値データを自動照合し,その結果,一致しなかったシナリオのみを詳細検証することもある.