つながるワイヤレス通信機器の開発手法(9) ――開発・検証環境を整備する
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PHS(小霊通)が中国で大ブレーク
PHSが北京や上海のような大都市に流れ込むのではないかという予測が,今年(2003年)の2月末から3月初めにかけて,新聞などをにぎわしていた.しかし,現在中国政府当局は,PHSを固定電話ネットワークを補足する機器と位置づけており,固定電話会社である中国電信(チャイナテレコム)と中国網通(チャイナネットコム)に対してのみ運用を許可している.
また,同じく政府当局のもくろみとして第3世代(3G)携帯電話の普及を目指しているので,北京や上海などの大都市におけるPHSの使用を認めていない.そのPHSが,低価格を武器に,ほかの携帯電話(GSMやCDMA)の市場を浸食しようとしている.
ニーズの高まりがある以上,大都市になだれ込むのは時間の問題だと筆者は考えている.しかし,日本の通信方式が海外でこれだけブレークした例は珍しい.うれしいかぎりである.