つながるワイヤレス通信機器の開発手法(9) ――開発・検証環境を整備する
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勤勉なアメリカ人
「アメリカ人は働かない」,「残業しない」とよく言われるが,シリコンバレーでは,日本人よりも長時間働いているエンジニアが少なくない.今回,いくつかの設計支援ツールを紹介したが,必要があれば,米国の設計者はメーカとの交渉からツールの導入,プロジェクトへの適用まで,すべて1人でやってしまうことが多い.しかも,並行して自分に割り当てられた設計業務を進めながらである.「この人,いったいいつ寝てるんだろう」と思うときがよくある.
日本の大手メーカの場合,EDAツールやCASEツールなどについては,全社を横断的に統括する共通技術部門のスタッフがメーカとの交渉から導入までを行い,設計部門はプロジェクトへの適用のみを行えばよいケースが多い.場合によっては,共通技術部門のスタッフが設計部門に出向いて作業を行うこともある.このような点を見ると,日本の設計者は恵まれており,恵まれているがゆえに伸び悩んでいる人が多いように思える.
一度は,働き者の米国人といっしょにしごとをしてみることをお勧めする(ただし,彼/彼女らはプロジェクトが終わると2,3週間の休みをとる習慣がある).