車載LANと42V電源系の動向 ――高性能化,高機能化が求められる車載機器の開発
●非常に難しいノイズ対策
ノイズ問題は,EMC(electromagneticcompatibility;電磁適合性または電磁共存性)問題と言われ,大きく次の二つに分けて考えます.
- 電子機器から放射される不要輻射による電磁波障害(EMI;electromagnetic interference)
- 外部からの侵入電磁波に耐えるイミュニティ(immunity;ノイズ耐性)
自動車におけるノイズについては,
- テレビおよびラジオの受信障害
- 携帯電話の通信障害
- 人体への悪影響
といった問題が発生する可能性があります.また車載機器は,ノイズ源となるエンジンの点火制御などの影響下,および強電界近くの走行時といった悪条件でも正常に動作しなくてはなりません.このような自動車特有の問題を考慮して以下のような規格が策定されています.
- CISPR(International Special Committee on Radio Interference;国際無線障害特別委員会)
- FCC(Federal Communications Commission;米国連邦通信委員会)
- ISO(International Organization for Standardization)
- JASO(Japanese Automobile Standards Organization;自動車規格)
- SAE(Society of Automotive Engineers)
ただし,自動車メーカおよび車載機器メーカ各社は,経験したノウハウをもとに規定した追加規格に,個別に対応することが多いようです.