車載LANと42V電源系の動向 ――高性能化,高機能化が求められる車載機器の開発

佐藤由和

tag: 組み込み

技術解説 2002年12月26日

●各メーカでまちまちだった通信プロトコルを規格化

 車載機器の増加によって,一つのセンサを異なる機能で同時に使用したり,車載機器間で協調した制御を行いたいという要求が多く出てくるようになりました.

 まず,パソコンに使用されていた1対1の接続で通 信を行うクロック同期シリアルおよび非同期シリアル(UART)が自動車の中で使用されるようになりました.それから同一センサの情報を多数の機器の制御に使用していきたいという要求が出てきたため,車載ネットワークの検討が始まりました.古くから半2重のUARTを使用した簡単なプロトコルをソフトウェア的に追加した通信が,車載機器の診断に使用されていました.ただし,パソコン系のネットワークをそのまま車載機器に搭載するには,コスト面と信頼性などで問題があります.そのため,各自動車メーカは独自のプロトコルを開発してきました.現在では,用途別 にさまざまなネットワークが自動車メーカごとに採用されています.

 表2は,現在採用または検討されている車載LANのプロトコルの抜粋です.これ以外にも多くのLANプロトコルが検討されています.また,図6に各種プロトコルの開発年度を示します.開発されてから自動車に採用されるまでに非常に長い期間がかかっていることがわかります.また,信頼性や広範囲にわたる温度保証,車種ごとに異なるケーブル長などが原因で,通信速度をそれほど高速にできません.各自動車メーカが採用中の車載LANはISO,SAEなどの標準化団体で規格化されています.

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〔図6〕車載LANの歴史
プロトコルが開発されてから自動車に採用されるまでに非常に長い期間がかかっていることがわかる.

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