携帯機器間のデータ転送を簡単かつ高速に ――既存USBの課題を克服するための追加規格
●ユーザの利便性を追求した形状
新しいコネクタには,使いやすさを向上させる新しいくふうも含まれています.ユーザにどのプラグをどこに挿入すればよいかを無意識に分からせるためのヒントがコネクタに入っています.一つのヒントはコネクタの内側にあるプラスチック部分の色です.つまり,
- Mini-AプラグとMini-Aレセプタクルは白
- Mini-BプラグとMini-Bレセプタクルは黒
- Mini-ABレセプタクルは灰色
と色分けされます.
オーバモールド(プラグの持つ所)の形状も異なります(図4).Mini-Aプラグは楕円形,Mini-Bプラグは長方形になっています.プラグ上のUSBのマークの部分もプラグの形状を反映しています.また,それぞれのプラグに「A」,「B」と書いてあります.
新しい形,色,端子などのほかに,これらのコネクタは耐久性についての仕様が新しくなっています.携帯機器に使われるので,デスクトップ・パソコンの場合より,ケーブルを抜き差しする頻度がずっと高いからです.標準コネクタが1,500回の挿抜サイクルに耐えられなければならない仕様であるのに対して,「Mini-」規格では5,000回耐えられなくてはなりません.
〔図4〕 Mini-AプラグとMini-Bプラグのオーバモールド形状
Mini-Aプラグは楕円形,Mini-Bプラグは長方形になっている.USBのアイコンが写っている領域にも,プラグの形状を反映している.また,それぞれのプラグに「A」,「B」と明記してある.