携帯機器間のデータ転送を簡単かつ高速に ――既存USBの課題を克服するための追加規格

David Luke

tag: 組み込み

技術解説 2002年4月 9日

2.OTGで何が変わるか ─機械的な変更─

 OTG 1.0では新しいコネクタが定義されました.これは従来のUSBに対する機械的な変更点です.コネクタ変更への動きは,2000年10月20日に発行された本来のUSB規格のための「Engineering Change Notice(ECN)」から始まりました.その中で,周辺機器向けのMini-Bプラグ(コネクタのオス側)とレセプタクル(同メス側)が,USBコネクタのラインナップに加わりました.

●1台2役のための新しいコネクタの定義

 今回のOTG 1.0追加規格では,Mini-Bプラグに加えて以下に示す三つの新しいコネクタを定義しています.これらの新しいコネクタは,従来のUSBの標準コネクタよりずいぶんと小さくなりました(図3)

  • Mini-ABレセプタクル
  • Mini-Aプラグ
  • Mini-Aレセプタクル

 Mini-ABレセプタクルは,ホストの役目も周辺機器の役目も果たせる機器「デュアルロール・デバイス(dual-role device)」のためのコネクタです.また,Mini-Aレセプタクルは,ホスト側のアダプタとしての使用だけが許されています.

 これらのコネクタのうち,もっとも重要なものはMini-ABレセプタクルでしょう.前述したように,従来のUSBコネクタは方向性を持っています.これは「使い勝手」という点から見ると,ユーザがケーブルを不正に接続できないので,一つの利点といえます.しかし,この考えかたをホストとしても周辺機器としても機能する機器に当てはめると,そのような機器には二つのレセプタクルを用意しなければならないことになります.

f03_1.gif
〔図3〕 小さくなったUSBの新コネクタ
(a)はMini-Aプラグと標準Aプラグとの比較(断面図)を,(b)はMini-Bプラグと標準Bプラグとの比較(断面図)を示している.どちらも従来のUSBの標準コネクタに比べて,ずいぶん小さくなっていることがわかる.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日