携帯機器間のデータ転送を簡単かつ高速に ――既存USBの課題を克服するための追加規格

David Luke

tag: 組み込み

技術解説 2002年4月 9日

1.携帯機器の間でデータを やり取りできない

 携帯機器の普及とともに新しい問題が出てきています.それは,携帯機器の能力やデータの記憶容量が増えれば増えるほど,ほかの機器との間でデータをやりとりしたいという要求です.

 ここで,パソコンのような供給電力の大きい機器では問題とならないデータの入力や表示などが,携帯機器では課題となります.携帯機器は本体が小さいので,使い勝手が良く汎用性の高いインターフェース規格を採用することはめったにありません.一般に表示画面は小さく,ボタンやスイッチの数も少なくなります.そのため,その機器のデータの記憶容量や処理性能に見あったデータの入出力機能を組み込むことは容易ではありません.例えば,電話番号を1万件以上記憶できる携帯電話を開発することは,現在の技術では容易なことです.しかし,そのような数の電話番号を携帯電話のキーパッドから入力するというのは,まったく無理な話です.

 転送したいデータの量も問題になります.例えば,ディジタル・カメラは簡単に数十Mバイト~数百Mバイトのデータを格納できます.このようなデータを転送する場合,データ転送速度の高いインターフェースが必要となります.

 データ転送の目的は,アプリケーションによってさまざまです.ユーザは携帯電話をノート・パソコンに接続して,受信したメッセージを転送したり,電話番号の情報を交換するために別の携帯電話につなげたりします.また,写真データを受け取るためにディジタル・カメラに接続したり,PDAにつなげて無線ネットワークを介してネット・サーフィンを行ったりするかもしれません.

 しかし,携帯電話は非常に小型です.そのため,上記のような多種多様の機器や目的に合わせて,多数のコネクタを持つことは不可能です.また,携帯機器は価格競争が激しく,コスト的な面からみても多数のコネクタを機器に組み込むことには無理があります.加えて,携帯機器を扱うユーザの多くは技術に詳しくないため,簡単に接続できて簡単にデータを転送するしくみが必要です.

 つまり,多種多様な機器をつなげるためには,

  • 低価格
  • 高い普及率
  • 接続が簡単
  • 高速

という条件を備えたデータ転送手段が必要です.

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