携帯機器間のデータ転送を簡単かつ高速に ――既存USBの課題を克服するための追加規格
コラム(2-1) ディジタル・カメラがデュアルロール・デバイスになると...
OTG機器のデフォルトのバス構成は,ケーブルの接続のしかたによって決まる.その一つの例として,ここではOTGのデュアルロール・デバイスの規格に対応したディジタル・カメラが,どのようにほかの機器と接続されるかを示す.図A(a)~(h)において,ケーブルの左側がAプラグ,右側がBプラグである.つまり,各図の左側の機器がデフォルトでホスト役になる.
〔図A〕デュアルコントロール・デバイスとデフォルトのバス構成(a)~(d)
(a)ディジタル・カメラとパソコン
ケーブルの標準Aプラグ(あるいはMini-Aプラグ,Mini-Aを標準Aに変換するアダプタ)はパソコンへ挿入される.ケーブルのMini-Bプラグはカメラに挿入される.この例では,パソコンがホストでカメラが周辺機器の役目となる.この場合,カメラは記憶装置(OTG Storage Type)として扱われる.
(b)ディジタル・カメラとプリンタ
ケーブルのMini-Aプラグはカメラに挿入されるので,カメラがホスト役になる.プリンタは標準BあるいはMini-Bのレセプタクルを持ち,周辺機器の役目しか果たせない.
(c)ディジタル・カメラとPDA
PDAはカメラと同じようにOTGのデュアルロール・デバイスであり,Mini-ABレセプタクルを持っているとする.ケーブルのMini-AプラグがPDAに挿入されると,PDAがデフォルトでホストの役割を果たす.しかし,必要に応じてカメラはHNPを利用してホスト役になれる.
(d)ディジタル・カメラとハード・ディスク
USB対応のハード・ディスクは周辺機器役のみのものであり,標準BかMini-Bレセプタクルを持つ.したがって,カメラはMini-Aプラグを挿されてホストとなる.