携帯機器間のデータ転送を簡単かつ高速に ――既存USBの課題を克服するための追加規格
OTG 1.0で定義されたコネクタも不正に接続できないような形状になっています.Mini-AレセプタクルにはMini-Aプラグしか入りませんし,Mini-BレセプタクルにはMini-Bプラグしか入りません.それに対して,Mini-ABレセプタクルには周辺機器を接続するためにMini-Aプラグも入るし,ホストを接続するためにMini-Bプラグも入ります.つまり,Mini-ABレセプタクルを備えたデュアルロール・デバイスでは,レセプタクルに挿入されるプラグの種類によって,役目が決められるわけです(コラム「ディジタル・カメラがデュアルロール・デバイスになると...」を参照).
従来のフルサイズ(標準)のコネクタが4端子であるのに対して,これらの新しいコネクタは五つの端子を持っています.新たに加わったのはID端子です.Mini-ABレセプタクルを持ったデュアルロール・デバイスでは,その端子を見て挿入されているプラグがMini-AかMini-Bかを見分けることができます.Mini-Aプラグの場合,ID端子はGNDにショートされています.Mini-Bプラグの場合,ID端子は無接続状態です.