携帯機器間のデータ転送を簡単かつ高速に ――既存USBの課題を克服するための追加規格
コラム ディジタル・カメラがデュアルロール・デバイスになると...
〔図A〕デュアルコントロール・デバイスとデフォルトのバス構成(e)~(h)
(e)ディジタル・カメラと携帯電話
この構成では,携帯電話がホストとなり,カメラは記憶装置(OTG StorageType)として扱われる.
(f)ディジタル・カメラと携帯電話
この構成では,カメラがデフォルトでホストとなり,携帯電話はデフォルトで周辺機器の役目を果たす.携帯電話がモデムの機能を持っており,カメラにモデムを利用する機能があれば,カメラはホスト役のままである.しかし,もしカメラが記憶装置としての機能しか持っていない場合,両機器はHNPを利用してデフォルトの役目を交換することができる.
(g)ディジタル・カメラとディジタル・カメラ
右側のカメラが周辺機器の役割だけを果たすとすると,このカメラは記憶装置として扱われる.このような構成を取るためには,左側のカメラは記憶装置に対するホストの機能を持っており,ユーザが二つのカメラの間でファイルをコピーしあえるようなインターフェースが必要となる.
(h)ディジタル・カメラとディジタル・カメラ
今度は両方のカメラがデュアルロール・デバイスであるとしよう.つまり,Mini-Aプラグを挿入されたらどちらのカメラもホストになれる.しかし,右側のカメラは(e)のように記憶装置に対するホストの機能を持つが,左側のカメラにはそんな機能がないかもしれない.となると,ホストとして接続された左側のカメラは要求されるホストの機能を持っていないので,これで動かないと思ってしまうかもしれない.しかし,両機器はデュアルロール・デバイスなので,HNPを利用して,デフォルトでの役目を交換することができる.このように,ユーザはどの機器がどの機能を持っているか知る必要もなく,Aプラグをどちらに挿しても正しい構成を築くことができる.このような「かしこさ」をカメラ自体が持つことになる.