新人研修は「模型ロケット」《指導者・管理者編》 ――実験的新入社員研修の舞台裏(SWEST Survayor-Hamana-2)
●熱意が感じられず,一度は研修の中止を決意
管理者として学ぶことも多くありました.新入社員を指導するうえで,「手を出さずに,目を離さない」を実行する難しさです.
筆者らをはじめとする指導者はあらかじめ,Hamana-2の実現に向けてマイルストーンを設定していました.しかし,新入社員はマイルストーンどころか計画すらほとんど立てていないようすで,スケジュールの遅れをまったく気にしません.とくにひどかったのが,研修当初の1ヵ月は何も進まなかったことです.新入社員もスケジュールを立てることと,そのスケジュールを守ることの重要性を学びましたが,管理者も手を出さずにプロジェクトを効果的に進める難しさを痛感しました.
新入社員の理解度を知るために,週1回のミーティングを実施しても,ひとりの新入社員と指導者の間の2者間ミーティングになってしまい,新入社員全員が問題や解決方法を共有していませんでした.また,新入社員の理解度も把握できませんでした.さらに,新入社員を指導するときに問題となる点や解決へのヒントを与えても,それが理解されないということも経験しました.
最終的には高度な知識が必要であるため,それに近づくための助言を行っても,新入社員から見れば高度すぎる内容であるため,理解できません.管理者サイドが慣れていないこともありますが,いま一つ新入社員の責任感や熱意が感じられませんでした.