新人研修は「模型ロケット」《指導者・管理者編》 ――実験的新入社員研修の舞台裏(SWEST Survayor-Hamana-2)

大西秀一,服部博行

tag: 組み込み

技術解説 2006年9月14日

●本番は台風で中止,データも取得できず

 SWEST7の前日.早朝の試射で怪しいながらデータを記録できた雰囲気がありました.しかし,動作は非常に不安定であり,かつ最初に示した目標をすべて満たしたわけではないという状況でSWEST7の会場に入りました.

 筆者らはSWEST7の最後の"徹夜部屋"(正式名称は「分科会:Hamana-2最終調整」)での作業にかけるしかないと考えていました.が,運命のいたずらか,SWEST7は台風直撃の真っ最中に行われることになり,本番の打ち上げ日の未明にSWEST7の主催者より,Hamana-2打ち上げ中止の決定が通達されました.

 その後,有志のメンバだけで打ち上げはしたものの,結局データを取得できませんでした.結果をひと言で言えば,失敗です.SWEST7のセッションで筆者らのHamana-2への取り組みについて発表することはできたのですが,新入社員たちに「成功の味」を感じてもらうことはできませんでした(コラム「Hamana-2に参加したかったほんとうの理由」を参照).

●リターン・マッチ,2ヵ月遅れながら目標を達成

 その後に筆者らが取り組んだHamana-2.5プロジェクトについて多少補足しておきます.SWEST7で達成できなかったことを新入社員たちは十分認識していたようです.そして「完成するまではやる」,という気概を見せてくれました.

 Hamana-2.5という形で日常業務の合間に作業を行い,10月には安定動作するペイロードを完成させることができました.SWEST7から遅れること約2ヵ月,ようやく彼らは加速度を計測して回収するという当初の目標を達成したのです.Hamana-2.5の結果については,組み込みシステム技術関連の展示会である「ET2005」の筆者らの会社(ヴィッツ)のブースで展示を行い,成果を発表しました.その後,2006年1月に開催されたCEST(組込みシステム開発技術研究会)の技術交流会にて発表し,好評を得ることができました.

 足かけ1年の長い期間でしたが,新入社員にとっても,筆者らにとっても初めての試みは,多少の失敗を経験し,そして多くの楽しい時間を全員で共有することができました.さらに,最後にはなんとかまとめ上げることができ,Hamana-2を通した研修は成果を上げたと自負しています.

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