新人研修は「模型ロケット」《指導者・管理者編》 ――実験的新入社員研修の舞台裏(SWEST Survayor-Hamana-2)
● 座学やOJTより有効なプロジェクト・ベースの研修
新入社員の教育という側面で言えば,今回のプロジェクトはかなりの成果があったと思います.ソフトウェア開発会社で新入社員研修と言うと,多くの場合,集合研修(おおむね座学)とOJT(on the job training)という名の業務手伝いではないでしょうか?
筆者らもOJTや技術資料を用いた研修を以前から取り入れています.しかし,いずれの研修も望んでいた成果が得られているとは思えませんでした.新入社員の多くは,社会人になる前の受け身のスタンスから,みずからの意思で行動する能動的なスタンスに変わるのに時間がかかります.
この意識改革こそが,会社が研修で最初に教えるべきことなのかもしれません.その意味では,あらかじめ作成された教科書に従って研修を行う座学は向いていないように思います(学生時代の学習の延長になるため).また,OJT研修についても,最終的な責任を先輩エンジニアが取ってしまい,新入社員はお手伝い意識が残るだけです.
とは言え,新入社員にたいせつな業務の一部を任せることも,そうそうできないと思います.このように矛盾する要求に対処できる方法の一つが,今回のHamana-2のような,業務ではないけれど発表などの責任のある"場"ではないかと思います.