新人研修は「模型ロケット」《指導者・管理者編》 ――実験的新入社員研修の舞台裏(SWEST Survayor-Hamana-2)
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飛行時間と高度の測定,そして映像撮影
今回のプロジェクトにおいて,データの蓄積は非常に重要な要素です.模型ロケットは打ち上げた後,上空でパラシュートを展開し,地上に着地します.このとき重要になるのが打ち上げる方向です.模型ロケットの発射台は30°までの傾斜を許可しています.基本は風上に向かって打ち上げるのですが,垂直に近いと風で流されてしまいます.
そこで,重要になるのが飛行時間と高度の測定です.毎回の発射データを取得することで模型ロケットの挙動と滞空時間を考えて,打ち上げ角度の精度を上げていくわけです.高度測定では3点からの最高高度時の角度を測定し,3角すいの高さを求める方法を使って高度を算出します.ですから,打ち上げるときにはかなりの人員が必要となります.おもしろいのは,最初は飛翔するロケットを見失っていた人も,最後にはかならずその速度に追従できるようになっていたことです.
また,筆者らは映像資料を作成する試みも行いました.しかも1台のカメラで追うのではなく,複数台,最大4台のカメラで模型ロケットの飛翔を記録しました.打ち上げの後の反省会で利用するつもりで記録し始めたのですが,発表やデモンストレーション展示で案外ウケが良く,たびたび公開されています.とくに打ち上げに失敗したときのビデオが....