組み込みソフトウェア開発の効率の良い学びかた ――組込みスキル標準(ETSS)からコーチングまで
これが,組み込みソフトウェア技術者の能力開発の一つの道です.少なくとも筆者は,管理職になるまでは,この道を歩いてきました.でも,この道は"正しい道"でしょうか.
会社の事業戦略によって急にしごとの内容が変わることは,会社員であるかぎり,受け入れなければなりません.ただし,その後のスキルの開発と勉強が,あまりにも場当たり的過ぎたのではないかと思います.筆者はときどき自分を見失い,不安に思う日々を過ごしていました.
そもそも,「組み込みソフトウェア技術者」としてのアイデンティティや誇りはどこにあるのでしょう.悩みました.もし,組み込みソフトウェア技術者としての自己の役割をきちんと把握していれば,アイデンティティを確立でき,もっと元気にしごとや勉強に取り組めたのではないかと思います.
行き当たりばったりはもうたくさんです.もっと見通し良く組み込みソフトウェア技術者として成長する道はないのでしょうか.もし,そういう道があるのなら,若い皆さんには,ぜひその道を歩いてほしいのです.さあ,探してみましょう.
2 何を勉強すればよいかわかっていますか?
そもそも組み込みソフトウェア技術者は,産業界でどのように思われているのでしょう.そして,学校や企業ではどのように教育されているのでしょう.個人として,何を勉強していけばよいのでしょう.