組み込みソフトウェア開発の効率の良い学びかた ――組込みスキル標準(ETSS)からコーチングまで

山本雅基

tag: 組み込み

技術解説 2006年8月18日

● 企業経営者は当事者の視点で考えることはできない

 組み込みシステム開発費の中でもっとも費用がかかっているソフトウェア開発費を圧縮するためには,ソフトウェアの生産性(開発効率)や品質を向上する必要があります.利益追求の点から考えても,企業は組み込みソフトウェア技術者の教育を推進するべきです.

 しかし,経済産業省の調査によると,企業は十分な時間の社員教育を行っていないという実態が明らかになっています(図3)(3).このままでは人材は育たず,ソフトウェア開発費は増大の一途をたどり,企業の存続と発展に支障をきたすのではないかと心配になります.企業の事業責任者は,教育を行う際の課題として,忙しくて時間がとれないことを最大の理由として挙げています(図4)(3).中長期を見据えて戦略的に人材育成を行う取り組み意識が弱いように感じられます.

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図3 組み込みソフトウェア技術者の教育にかける年間平均時間(3)
情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(IPA/SEC)の調査では,新人やキャリア・シフト(配置転換)を除けば,約70%の人は会社から1年間に5日以内の教育時間しか与えられていない.約10%の人は,1日程度しか教育時間が与えられていない.

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図4 組み込みソフトウェア技術者の教育を行う際の課題(3)
IPA/SECの調査では,事業責任者は,技術者の時間が取れないことを,教育を行う際の最大の課題として挙げている.技術者に教育時間を与えていないのは,はたしてだれだろうか.事業責任者は,教育時間を与えようと考えているのだろうか.

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