民生用LSIへの搭載を想定した低コストの1回書き込み型メモリ・コアを開発 ――オンチップOTPROM、セキュリティ、アナログ・トリミングなどに利用可能
2)EPROM(紫外線消去型)との比較
これまでEPROMを使用していたアプリケーションの多くは,フラッシュ・メモリに移行しつつあります.これは当然のことで,フラッシュ・メモリはEPROMに勝る製造プロセス上の利点を備えており,また,アクセス速度も高速です.
3)フラッシュ・メモリとの比較
フラッシュ・メモリ技術はすでに成熟期を迎えており,多くのアプリケーションや製品で実証済みの技術と言えます.ただし,民生用LSIに組み込むフラッシュ・メモリ・コアには三つの問題点があります.すなわち,「コストが高い」,「最新のプロセス・ノードに対応することが困難」,そして「サイズが大きい」という問題です.
PDAやMP3プレーヤ,ディジタル・カメラ,ビデオ・カメラ,ゲーム機,携帯電話などの製品の利幅はきわめて小さくなっています.コストに厳しいこれらの製品をターゲットとしたLSIと,そうでないLSIのコストの差はほんの数セントしかありません.CMOS論理LSIにフラッシュ・メモリ・コアを組み込もうとすると,余分なマスクと製造工程が必要になり,LSIの製造コストは約50%も高くなります.
加えて,フラッシュ・メモリには最新のプロセス・ノードに追随する(遅れずについていく)ことが難しいという欠点があります.より微細なプロセス・ノードに移行する利点は,より多くの機能を同一サイズのチップに組み込めること,または,現在の機能をよりサイズの小さいチップで実現することにより,コストを低減できることにあります.いずれのケースも,民生機器メーカにとっては非常に魅力的な利点です.