CAN-LINゲートウェイのソフトウェア・モジュールの実装 ――高い信頼性を確保して異なるプロトコル通信間をつなぐ
1） CANからLINスレーブへのデータ送信（図9（a））
ゲートウェイでCANデータを受信した場合，まず，ゲートウェイ内部のCANドライバでデータを取得し，メッセージ・フィルタに送ります．このとき，ゲートウェイ処理におけるメッセージIDのデータを取得できるように，CANコントローラを設定しておく必要があります．
次に，メッセージ・フィルタでは，受信したIDをIDマッピング・テーブルと照合します．図9（a）の場合，CAN ID＝0x100，LIN ID＝0x02であり，さらに問い合わせ元がCANネットワークであることがわかっているので，プロトコルを変換して送信要求をLIN側のメッセージ・バッファに格納します．
その後，LINメッセージ・バッファに格納してある送信要求は，メッセージ・スケジューラによって定期的に処理されます．メッセージ・スケジューラによって取り出された送信要求は，LINマスタ・ドライバを介してLINフレームとして送信されます．
図9 ゲートウェイの内部動作
（a）にCANノードからLINスレーブへデータが送信される場合を，（b）にCANノードからLINスレーブへデータを要求する場合を示す．
