CAN-LINゲートウェイのソフトウェア・モジュールの実装 ――高い信頼性を確保して異なるプロトコル通信間をつなぐ
一方,システムにおいてLINクラスタに自律性が求められる場合があります.例えば,クラスタ内にスイッチとランプがあって連動するような場合や,スレーブがセンサ機能を持っていてマスタが定期的に読み取って移動平均などの計算処理を行うような場合です.このようなシステムでは,LINマスタからLINスレーブへのデータ要求を定期的にスケジューリングしておく必要があります.具体的には,ゲートウェイのアプリケーションでインターバル・タイマなどを用いて定期的にAPI(表1のGw_s4LinGetMessage)を呼び出します(図13).
マスタからスレーブへのリクエストについては,LIN 2.0ではスケジューリングが仕様に明記されています.通常は設計段階で決められたスケジュールに従って定期的に通信を行い,突発的要求(例えばゲートウェイにおけるCAN側からの臨時リクエスト)については,スポラディック・フレームという専用のフレームを割り当てるようになっています.
図13 ゲートウェイ内の要求による定期的なLINからCANへのゲートウェイ動作の例
ゲートウェイのアプリケーションにおいて,インターバル・タイマなどを用いて定期的にAPIを呼び出す方法を示す.