CAN-LINゲートウェイのソフトウェア・モジュールの実装 ――高い信頼性を確保して異なるプロトコル通信間をつなぐ
さらに,単体の動作を確認した後,複数個のゲートウェイを使ったデモンストレーション用装置を作成しました.
全体の構成を図16に,その実物を写真1に示します.スイッチ・パネルとハンドルの情報はすべて,対応する装置のIDとともにCANバスに流しています.各ゲートウェイは独立したLINクラスタを持っており,自分のクラスタ向けのIDのみをフィルタリングしてLINフレームに変換し,LINクラスタに送信します.
今回はLIN 1.3に対応した事例を紹介しました.現在,LIN 2.0に対応したドライバがそろいつつあります.筆者らはLIN側をLIN 2.0に準拠させたゲートウェイの開発を検討しているところです.基本的には,LIN 2.0の拡張仕様はLINドライバで実現することになります.
図16 ゲートウェイを複数使用したデモンストレーション装置の構成図
システム・コントローラは,スイッチおよびハンドルの角度情報を検出して,CANバスに送信する.各ゲートウェイは,自分の持つLINクラスタ向けのCANフレームのみを受信(フィルタリング)し,LINに変換して送信する.
(a)外観
(b)パネル・コントローラ
写真1 ゲートウェイのデモンストレーション装置