車載マルチメディア・ネットワーク「MOST」の設計ノウハウ ──ロバスト性の高いシステムを構築するためのハード/ソフト開発術

大木紳一

tag: 組み込み

技術解説 2003年10月27日

 情報系の車載ネットワークである「MOST(Media Oriented Systems Transport)」を採用した自動車が徐々に増えてきている.ここでは,まず,MOSTの基本構成を説明する.後半では,複数の装置(ノード)からなるMOSTネットワークのロバスト(堅ろう)性を高めるための,ハードウェア(主にプリント基板)とソフトウェアの設計手法を解説する.  (編集部)

 欧州を中心に,MOST(Media Oriented Systems Trans-port)を採用した自動車の新製品が続々と登場しています(写真1).車載マルチメディア機器をつなぐLAN(local area network)を容易に構築できるMOSTを使ったシステムは,今後も増えていくことでしょう.

 ご存じのとおり,自動車のアプリケーションには高い信頼性が要求されます.そのため,この業界では基本的に枯れた(十分に成熟した)技術が好まれます.MOSTもTDMA(time division multiple access)という歴史の長い技術がベースとなっています.また,光ファイバは1998年からDaimlerChrysler社の車載装置などで使用されています.

 しかし,こうした従来からある技術を使っていても,信頼性の高いシステムを構築するとなると,やはりハードウェアやソフトウェアの設計ノウハウというものがものをいいます.ここでは,MOSTを採用したシステムの設計に関する留意点,および開発したシステムのデバッグやテスト環境について述べたいと思います.

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〔写真1〕MOSTを採用している自動車の例
最新のモデルには,続々とMOSTネットワークが採用されている.現在(2003年8月初旬),写真に載っているものも含めて17車種に搭載されている.今後もMOSTを採用する自動車メーカはどんどん増えると思われる.

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