車載マルチメディア・ネットワーク「MOST」の設計ノウハウ ──ロバスト性の高いシステムを構築するためのハード/ソフト開発術

大木紳一

tag: 組み込み

技術解説 2003年10月27日

2.ハードウェア設計の留意点

 MOST対応システムのハードウェア構成の中でもっとも重要な部品として,FOT(fiber optical transceiver)チップとNIC(network interface controller)チップがあります.FOTは,ハウジングも含めたコネクタという形で数社から供給されています.一方のNICですが,現在のところ,すべてのMOST対応システムに筆者ら(ドイツOasis SiliconSystems社)が開発した「OS8104」,またはこれの同等品を内蔵したLSIが使われています(これらのNICチップの2002年までの累計出荷数は400万個に及ぶ).ここではOS8104を例にとって,MOSTシステムの設計について話を進めていきます.

●NICとマイクロコントローラを接続する2種類のポート

 図3にNICの内部ブロック図を示します.NICは,基本的にはストリーミング・データ,パケット・データ,制御メッセージのすべてのデータ・タイプを扱います.あるノードで同時に使用したいデータ・タイプがある場合,マイクロコントローラとの接続方法を考える必要があります.NICには次の2種類の接続ポートがあります.

  • ソース・ポート(SP)
  • コントロール・ポート(CP)

 ストリーミング・データはソース・ポートでのみ入出力が可能です.接続するモードによって,パケット・データをソース・ポートから入出力する方法と,コントロール・ポートを使って内部パケット・バッファを通して入出力する方法があります.NICチップの内部レジスタやバッファにアクセスするためにはコントロール・ポートが使われます.制御チャネルにおけるメッセージ送受信は内部レジスタで行うので,制御チャネルはコントロール・ポートに接続されたマイクロコントローラによって処理されることになります.

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〔図3〕MOSTネットワーク用NICチップ「OS8104」のブロック図
経路指定エンジンがMOSTネットワーク上のデータとソース・ポートのデータの置き換えを行う.かっこ内は信号名.

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