車載マルチメディア・ネットワーク「MOST」の設計ノウハウ ──ロバスト性の高いシステムを構築するためのハード/ソフト開発術

大木紳一

tag: 組み込み

技術解説 2003年10月27日

 また,図6のように「ピッグ・テイル」式のFOTを採用すれば,装置の光ファイバの受け口から実際のFOTを切り離すことができ,ある程度自由な位置にFOTとNICを配置できるようになります.

 通信の品質を確保するためには,基板のパターンを設計する際に,PLL(phase-locked loop)をはじめとするクロック周りと,NICとFOTの間の配線に十分な注意を払う必要があります.

 現在のMOSTの仕様では,すべての装置に水晶発振器を持たせることが要求されているため,装置がタイミング・マスタ(クロック・マスタ)であるのかタイミング・スレーブであるのかによって,NIC周辺の回路構成や設計が変わることはありません.

 EMI対策としては,基本的にすべての信号線について配線を短くする必要があります.図3に示したRMCK,SCKなどのクロック線,SX[0-3]やSR[0-3]といったデータ入出力線,TXやRXといったNICとFOTの間の信号線については,特に配線長に注意を払う必要があります.FLT,VREFといったPLL関係の部品や電源周りのコンデンサなども,できるだけチップに近い位置に置くようにします.FLTピンに接続されるもの以外は,セラミック・コンデンサを使用します.FLTピンですが,通常のセラミック・コンデンサでは圧電効果によって外部からの物理的な衝撃によるショック・ノイズが発生して,PLLのアンロックを引き起こす可能性があります.そのため,特にメタル・フィルム・コンデンサ(松下電器産業のECPUシリーズなど)の使用が推奨されています.

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〔図6〕ピッグ・テイル(Pig Tail)の使用
ピッグ・テイル式を採用すればプリント基板のレイアウトの自由度が高まる.ただし,コネクタの部分でプラスチック光ファイバの接続ポイントが増えるため,伝送損失が生じるというデメリットがある.

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