車載マルチメディア・ネットワーク「MOST」の設計ノウハウ ──ロバスト性の高いシステムを構築するためのハード/ソフト開発術

大木紳一

tag: 組み込み

技術解説 2003年10月27日

 自動車の走行中に携帯電話がかかってくる場合を考えてみましょう.このとき,アンプはオーディオの音量を下げたりミュートしたり,あるいはCDプレーヤなどはポーズをかけたりします.さらに,携帯電話の音声を特定のチャネル(例えば運転席の近くなど)のスピーカから出力するようにスイッチし,通話用のマイクをアクティブにします.このような一連の指示を携帯電話のユニットが行うと,ユニット自身がアンプ,プレーヤ,マイクなどに直接メッセージを送信しなければなりません.

 では,オーディオ・マスタという専用のファンクション・ブロックを用意した場合はどうなるのでしょうか.図10のように,まず携帯電話のファンクション・ブロックは「着信・通話」を知らせるメッセージをこのオーディオ・マスタに送信します.あとはオーディオ・マスタが現在のアンプやプレーヤなどの状況に合わせて必要な指示(メッセージ)を各ファンクション・ブロックに送信してくれます.このように,特定の機能の管理に特化したファンクション・ブロックを用意すれば,メッセージの流れを階層化できます.このことは,システムのデバッグや動作チェックを簡単にするだけでなく,アプリケーションの再利用や再構築も容易にします.

f10_01.gif
〔図10〕階層化されたファンクション・ブロックの通信例
四角い箱はファンクション・ブロックを,灰色の丸はファンクションを表す.携帯電話に着信があった場合,①~⑦の処理を行うために,オーディオ・マスタによって各ファンクションにメッセージが送信される.

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