車載マルチメディア・ネットワーク「MOST」の設計ノウハウ ──ロバスト性の高いシステムを構築するためのハード/ソフト開発術

大木紳一

tag: 組み込み

技術解説 2003年10月27日

 マイクロコントローラやディジタル信号処理プロセッサ(DSP),A-Dコンバータ,D-Aコンバータなどとの接続方法としては,図4に示す三つの方法があります.

1)SP,CPともにシリアル接続

 ソース・ポート,コントロール・ポートがともにシリアル接続の場合,ストリーミング・データはすべてシリアル接続のソース・ポートを介してアクセスします.NICの内部レジスタへのアクセスはシリアル接続のコントロール・ポートを通じて行います.この接続方法の特徴は,音声などのストリーミング・データの入出力をI2S(The Inter-IC Sound)バスやSPDIF(Sony Philips Digital Interface)を介して外部のDSPやD-Aコンバータ,A-Dコンバータと直接接続できる点です.アンプやCDプレーヤなどのオーディオ機器が主体のアプリケーションに適した接続方法です.

2)SPはパラレル接続,CPはシリアル接続

 ソース・ポートを8ビットのパラレル・ポートとして接続し,コントロール・ポートについてはシリアル接続にする方法があります.扱うデータによって,パラレルのソース・ポートには次の3種類のモードがあります.

  • パラレル同期モード:ストリーミング・データのみ
  • パラレル非同期モード:パケット・データのみ
  • フィジカル・モード:ストリーミング・データとパケット・データの両方

 NICチップの内部レジスタなどはシリアル接続されたコントロール・ポートを使ってアクセスします.ネットサービス(詳細は後述)を実装するマイクロコントローラと,ストリーミング・データやパケット・データを処理するDSPやプロセッサが異なる場合,それぞれ別々に接続することができます.

3)SP,CPともにパラレル接続

 ソース・ポートとコントロール・ポートを共通の8ビットのパラレル・ポートで接続する方法があります.ソース・ポートについては,パラレル同期モード,パラレル非同期モード,フィジカル・モードでデータをアクセスすることができます.NICの内部レジスタのアクセスも同じ8ビットのパラレル・ポートを通してコントロール・ポートにアクセスします.ストリーミング・データやパケット・データの処理とネットサービスを同じプロセッサで実行する場合,共通のポートを通してアクセスできるというメリットがあります.

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〔図4〕 接続形態
NICチップとマイクロコントローラ,DSP,D-Aコンバータ,A-Dコンバータなどとの接続方法は3種類ある.コントロール・ポート(CP)をパラレル接続する場合は,ソース・ポート(SP)は必ずパラレル接続になる.

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