マイクロ波帯のMEMS応用技術の動向 ――RF MEMSは課題を克服し,無線機器の性能向上に貢献できるか?

水野皓司

tag: 半導体 実装

技術解説 2002年10月29日

2)伝送線路

 図8に示すように,エッチング技術と薄膜形成技術の組み合わせにより,各種の伝送線路を形成することができます4),5).例えば,伝送媒体として誘電体のバルクを用いず薄膜のみを使用することにより,誘電体損失を軽減できます.また,薄膜上の金属をパターニングすることにより,フィルタなどの各種回路を形成できます.

 さらに,Siの異方性エッチングと金属メッキ技術の組み合わせによって,ミリ波帯矩形導波管が製作されており(図9),200G~250GHzで0.8dB/波長という挿入損失が得られています6)

 Siの異方性エッチングと感光性レジン(Epon SU-8)を組み合わせて,500GHz帯のホーン・アンテナ付きミキサ回路が試作されています7).このレジンは,ネガレジスト・タイプのものであり,半導体プロセスで用いられるフォトリソグラフィの工程と同じ方法で数100μmの厚さが得られます.さらに構造断面のアスペクト比が10:1になることが特徴です.

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〔図8〕米国University of Michiganが開発したさまざまな伝送線路
Siエッチング技術と薄膜形成技術の組み合わせにより,フィルタなどを含む各種の低損失伝送線路を形成できる.本例では,Kバンド帯のダイプレクサを製作し,28GHzで35dBの,31GHzで50dBのアイソレーションが取れている4),5)

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〔図9〕サブミリ波・テラヘルツ帯導波管 Si(110)基板のエッチングにより構造を形成し,内部を金メッキして製作された導波管.200G~250GHzで0.8dB/波長という挿入損失が得られている.また,本方法で製作した導波管には,内部に薄膜状のフィルタなどの回路を作り込むことができる6)

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