マイクロ波帯のMEMS応用技術の動向 ――RF MEMSは課題を克服し,無線機器の性能向上に貢献できるか?

水野皓司

tag: 半導体 実装

技術解説 2002年10月29日

●RFスイッチはカンチレバー型と薄膜型に分かれる

 RF MEMSの構造は,大きく分けて「カンチレバー型」と「薄膜型」に分かれます.それぞれの典型的な寸法は数百μm角です.接触の形式としては,金属どうしが接触することによりDC(直流)もON/OFFできる,いわゆる「オーミックな接触」と,誘電体薄膜による容量を用いた「キャパシティブな接触」があります.後者は,高周波のみのスイッチです.

1)カンチレバー(片持ちはり)型スイッチ

 図2に,2種類のカンチレバー型スイッチの構造を示します.はり部は,主にSiO2膜で形成されており,長さは100μm程度です.スイッチ全体は,Si基板上に形成されています.ON/OFFの動作に静電力を利用するものが多く,このほかにピエゾ素子,あるいはバイメタルを利用するものなどがあります.現在のところ,静電力を利用したスイッチの動作電圧は20V~62V,その動作速度は1μs~40μsです10)

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(a)線路組み込み方式の片持ちはり型スイッチ (b)米国Massachusetts Institute of Technology,Lincoln Laboratoryで開発されたカ〔図2〕 線路組み込み方式のカンチレバー(片持ちはり)型スイッチ
金属(金,白金など)どうしの接触により,DCのON/OFFも可能である.(a)は片持ちはりと静電力電極の間に電圧を加えてスイッチ動作を行わせる.(b)のカンチレバー部は3層の蒸着層からなり,OFF状態では湾曲している.50μm以下の小型のものでは,1μsの速度が得られる.

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