今,フラッシュFPGAが求められている理由 ――10年近い紆余曲折を経て,ようやく日の目を見た"大器晩成"技術

宮崎 仁

tag: 組み込み

技術解説 2005年11月21日

● フラッシュFPGA誕生前:先駆けになったのはIntel社

 次に,フラッシュFPGAを中心としたPLD/FPGAの歴史について紹介します(図4)

 ユーザが手元でプログラミングして使える論理LSI,すなわちPLDは1970年代に初めて登場しましたが,当時はバイポーラICで集積度が低いこと,消費電力が大きいこと,記憶素子がヒューズであったため書き換え不可能なことなど,多くの欠点がありました.

 1980年代になってCMOS論理プロセスが急速に発展し,一方ではEPROM,EEPROMなどの不揮発メモリも急速に普及しました.これを背景に,1980年代の中ごろにはLattice社の「GAL」やAltera社の「EPLD」をはじめとして,多くのメーカが不揮発かつ書き換え可能なCMOS PLDを製品化しました.これらの小規模な不揮発PLDは,さらにAND-ORアレイを複数個搭載したCPLDへと発展していきました.

 同じころ,米国Xilinx社ではLUT構造を採用してより柔軟に回路をプログラミングできるFPGAを初めて製品化しました.FPGAでは,チップ上に分散した任意の細かい(ファイン・グレイン)論理セルを組み合わせて回路を構成するため,記憶素子もチップ上に分散させる必要があります.Xilinx社では,論理回路と同じように構成できるSRAMを記憶素子に採用し,論理セルとともに効率良くチップ上に配置することに成功しました.

 やや遅れて,Actel社はアンチヒューズを記憶素子に採用したFPGAを初めて製品化しました.アンチヒューズは書き換えができませんが,その代わり記憶素子としてもっとも小型化が可能であり,チップ上に効率良く分散させて配置できます.

 1980年代末には,大規模PLD製品として不揮発かつ書き換え可能なCPLD,揮発性のSRAM FPGA,書き換えできないアンチヒューズFPGAが出そろい,それぞれ競合製品も登場して利点を競っていました.
 

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図4  PLD/FPGAの発展
フラッシュFPGA製品は1995年ごろに初めて登場した.

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