今,フラッシュFPGAが求められている理由 ――10年近い紆余曲折を経て,ようやく日の目を見た"大器晩成"技術
その後,1997年にZycad社は論理エミュレータを含むEDA部門を売却してFPGA専業メーカとなり,社名もGateField社に変更しました.しかし,1998年にProASICの販売権をActel社に売却し,2000年にはGateField社そのものがActel社に買収されました.Actel社ではGate Field社のProASICを引き継ぎ,2002年に「ProASIC PLUS」,2005年に「ProASIC3」を製品化しました.この間,基本的なデバイス・アーキテクチャは変わっていませんが,おもに製造プロセスの改良によって大容量化,高速化などの性能改善を実現しています.
GateField社では,当初はロームと提携してプロセス開発やデバイス製造を行っていましたが,その後,ドイツのInfineon Technologies社や台湾のUMC(United Micro-electronics Corp.)と提携してプロセスの微細化を進めています.最新のProASIC3は0.13μmプロセスを採用し,システム・ゲート数で3万~300万ゲートの集積度と最大350MHzのクロック周波数を実現しています.
また,ProASIC3は最大504KビットのユーザRAM(2ポート),1KビットのユーザROM(フラッシュ・メモリ),最大616本のI/Oをもち,オンチップPLLによるクロック調整回路,128ビットAES(advanced encryption standard)暗号に対応したISP(in-system programming)機能,単一電源書き込みを可能とするチャージ・ポンプ回路を搭載しています.