今,フラッシュFPGAが求められている理由 ――10年近い紆余曲折を経て,ようやく日の目を見た"大器晩成"技術
この原型となったデバイスは,1995年に米国Zycad社のGateField事業部(後に米国GateField社)によって製品化されました.GateField社は,その後Actel社に買収され,この技術はActel社のProASICシリーズに引き継がれています.
Altera社のMAX IIやLattice社のXP,MachXOは,直接の記憶素子としてはSRAMを使用し,内蔵するフラッシュ・メモリ・ブロックからチップ内部で回路情報を転送して動作させます.ちょうど,SRAM FPGAとコンフィグレーション用のフラッシュ・メモリを1チップ化したような構造です.別の見かたをすると,FPGAに混載したフラッシュ・メモリ・ブロックに,FPGAのコンフィグレーション情報を書き込めるようにしたものとも考えられます.ここでは,この方式を「間接型のフラッシュFPGA」と呼ぶことにします.
間接型の原型として,1990年代前半に米国Intel社が製品化した「FLEXLogic」があります.FLEXLogicは24V10相当のPLDブロックを4~16個搭載したプロダクト・ターム(積項)構造のデバイスで,CPLDに分類されています.記憶素子にSRAMを用いており,内蔵フラッシュ・メモリからチップ内部で回路情報を転送して動作させるところが特徴でした.