今,フラッシュFPGAが求められている理由 ――10年近い紆余曲折を経て,ようやく日の目を見た"大器晩成"技術

宮崎 仁

tag: 組み込み

技術解説 2005年11月21日

● アーキテクチャによって有利・不利がある

 最近ではFPGAの利用分野が大きく拡大し,ネットワーク機器や無人施設,自動販売機など,管理者の目が届きにくい遠隔地で使われたり,高度な信頼性・安全性が要求される用途で使われることが増えています.とくに,金銭を扱ったり人体の安全にかかわるシステムでは,誤動作しないことがもちろんベストですが,万一誤動作した場合に原因を突き止めやすいことも重要です.システムの誤動作には,デバイスそのものの不良や劣化,ユーザ設計のバグ,ノイズや動作環境など,さまざまな要因があり,この点ではSRAM FPGAもフラッシュFPGAも条件は同じです.ただし,原因の究明という点では,電源断とともに故障時の状態が失われてしまうSRAM FPGAのほうが不利と言えそうです.

 また,今後さらにLSIの微細化が進むと,SRAM FPGAでは中性子線によるファーム・エラーが深刻な問題になると言われています(図3).α線をはじめ,さまざまな宇宙線が地上に飛来していますが,その中で高エネルギーをもつ中性子線は半導体基板(サブストレート)に突入してSi(シリコン)原子に衝突します.衝突で放出されたイオンによって基板に微弱なパルス電流が流れ,SRAMやDRAM,フリップフロップのデータを反転させる可能性があります.とくに,SRAM FPGAのデータ反転は回路変更を意味するので,中性子線エラーが発生すれば被害は大きくなります.

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図3 中性子線によるファーム・エラー
LSIの微細化が進むと,SRAM FPGAでは中性子線によるファーム・エラーが深刻な問題になると言われている.本図はActel社のWebサイト(http://www.actel.com/intl/japan/solutions/ser/)から引用した.

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