携帯電話向け高速シリアル伝送の実力を実デバイスで評価 ――1チャネル当たり200Mbps,1.5mAを実現する"Mobile Video Interface"

柴田幸成

tag: 組み込み

技術解説 2005年5月16日

 パワー・ダウン/ウェイクアップは,データ転送を行わない場合にシリアル機能を停止して消費電力をより小さくする機能です.この機能は,差動信号線を使用して実現しているため,信号線を新たに用意する必要はありません.

 本インターフェース規格は,以下のデバイス間で使用できます(図3)

  • 携帯電話のベースバンドLSIとアプリケーション・プロセッサ(またはLCDコントローラ)の間
  • ベースバンドLSI(またはアプリケーション・プロセッサ,LCDコントローラ)とLCDパネルの間
  • ベースバンドLSI(またはアプリケーション・プロセッサ,LCDコントローラ)とカメラの間

 いずれの接続箇所においても,データの高速転送を実現し,かつ,データの信頼性を確保するため,8b/10b符号化を採用しています.8b/10b符号化には次のような特徴があります.

  • データの'0'と'1'の出現頻度を均一化する.これによって,伝送路上のDC(直流)バランスを整え,エラーの少ない安定したデータ転送を実現する.
  • ディスパリティ('0'ビットと'1'ビットの個数の差)があるため,ディスパリティ・チェックによって伝送路上のエラーを検出できる.

 符号化にデータの冗長性があるため,本来8ビットで符号化されないデータのパターンが存在します.これを特殊コード(Kコード)と言い,パケット通信に用いることができます.なお,本インターフェース規格では,この符号化やエラー検出の処理を物理層に実装するように規定しています.そのため,ユーザ(携帯電話などの開発者)は,こうした機能を意識せずに利用できます.

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図3 シリアル・インターフェースの適用例
Mobile Video Interfaceは,1)LCDパネルとベースバンドLSI(またはLCDコントローラ,アプリケーション・プロセッサ)の間,2)カメラとLCDコントローラ(またはアプリケーション・プロセッサ,ベースバンドLSI)の間,3)ベースバンドLSIとLCDコントローラ(またはアプリケーション・プロセッサ)の間のバスに適用できる.2)と3)については,やり取りするデータ量が多いので,Mobile Video Interfaceのデータ・チャネル数を増やすことで対応する.

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