携帯電話向け高速シリアル伝送の実力を実デバイスで評価 ――1チャネル当たり200Mbps,1.5mAを実現する"Mobile Video Interface"
1)表示パネルの画素数と色数に対する要求
携帯電話における現在主流の液晶画素数は,QCIF(176 ×144ピクセル)またはその前後のサイズです.今後は,QVGA(320×240ピクセル),さらにはそれ以上の画素数への対応が要求されるものと思われます.また,色数も従来の6.5万色から26万色へと増加していくことでしょう.なお,6.5万色は16ビット,26万色は18ビットに相当します.
2)内蔵カメラの画素数に対する要求
実は,表示画面以上に高解像度化が進んでいるのが内蔵カメラです.すでに100万画素を超えるカメラを搭載した携帯電話が数多く発売されています.現在では300万画素以上のカメラを搭載し,かつ,ズーム機能を持たせた携帯電話もあります.カメラは,動作している時間は短いものの,動作中には大量のデータ転送が行われます.ここでは表示画面よりも大きな転送速度が必要になります.
3)動画表示機能に対する要求
テレビ電話機能を備えた携帯電話も出始めました.また,地上ディジタル放送用テレビ・チューナの搭載も目前に迫ってきていると言われています.
これらの要求にこたえようとすると,データ線が増え,各機能を実現するために制御線も増加するため,携帯電話のヒンジ部に通される信号線は数十本以上となります.差異化を図るためにいろいろとデザインを変える必要がありますが,このとき多すぎるデータ線と制御線が問題になってきます.つまり,今後の携帯電話に求められる機能に対応するためには,機構そのものによる電気配線の難しさ,配線本数の増大,およびそれに伴うEMC(electro magnetic compatibility)対策といった課題があります.
こうした背景から,従来のパラレル・バスに替わる新たなインターフェースが必要とされており,最近では,高速シリアル・バスが注目されています.