携帯電話向け高速シリアル伝送の実力を実デバイスで評価 ――1チャネル当たり200Mbps,1.5mAを実現する"Mobile Video Interface"
また,次のような特徴を持っています.
- シリアル化によって信号線数を大幅に削減
- 差動シリアル伝送方式を採用して消費電力と電磁放射ノイズ(EMI)を低減
- ターゲット側にPLL(phase-locked loop)を必要としない
- データ転送速度は1チャネル当たり最大200Mbps
- パワー・ダウン/ウェイクアップ機能を備える
- 8b/10b符号化を採用
- アプリケーションに応じて上位層をカスタマイズ可能
なお,本インターフェース規格では,「ホスト(HOST)」,「ターゲット(TARGET)」ということばを使用しています.ホストは,クロックを供給する側(制御・管理する側)のMobile Video Interfaceシステム(例えば,ベースバンドLSIやLCDコントローラ,アプリケーション・プロセッサなど)を指します.一方,ターゲットはクロックを供給される側(制御・管理される側)のMobile Video Interfaceシステム(例えば,LCDコントローラ,アプリケーション・プロセッサ,LCDパネル,カメラなど)を指します.
上述したように,LVDSのような高抵抗を使用できないI-V(電流-電圧)変換では,ある一定の電位差を生じさせるために伝送路上にmA単位の電流が必要となります.一方,本インターフェース規格では独自の高抵抗I-V変換回路を開発して,伝送路上の電流をμA単位に抑えました.また,シリアル・インターフェースであるため,パラレル・インターフェースよりも物理信号線が少なく,伝送路の電流が小さいのでEMIを低減できます.例えば,LCDコントローラとLCDパネル(QCIFサイズ)をRGBインターフェース注1の18ビット,60フレーム/sで接続する場合,信号線は約20本必要となります.一方,本インターフェースを用いると,これを4本にできます.
注1;RGBインターフェースは,VSYNC(垂直同期信号),HSYNC(水平同期信号),DOTCLK,DATAの信号によって,画像をLCDコントローラからLCDパネルに転送する.RGBインターフェースを使用する場合,LCDドライバに画像用のメモリがないため,つねにデータを転送する.