つながるワイヤレス通信機器の開発手法(12) ──ASICを設計する(後編) CPUと周辺回路のインターフェース回路の実装
●CPUのデータを周辺回路に書き込むライト・レジスタ
上記のような動作を行うバス(非同期バス注)において,ライト・レジスタ回路はCPUが出力したデータを周辺回路(RAMを含む)が取り込む処理を行う.
図8に,この回路の1例を示す.図8の回路は,アドレス信号をデコードする回路とフリップフロップから構成される.ここではクロック・イネーブル(CE)付きフリップフロップを使用している.CPUのアドレスが周辺回路に割り当てられているアドレスと一致した場合,デコード回路の出力がアクティブになり,CEがイネーブル状態になる.この状態でフリップフロップのCLKに接続されているWEが立ち上がると,データ・バスの信号がフリップフロップでラッチされ,周辺回路で使用できる形になる.通常,このフリップフロップはデータの本数だけ用意される.
注;任意のタイミングで変化するRE,WEによって動作するバスを「非同期バス」と呼ぶ.また,RE,WE以外に信号取り込みのために使用されるクロックをバスに接続される回路に供給し,バス全体を同期動作させるバスを「同期バス」と呼ぶ.
〔図8〕ライト・レジスタ回路の例
この回路は,アドレス信号をデコードする回路とフリップフロップから構成される.