つながるワイヤレス通信機器の開発手法(12) ──ASICを設計する(後編) CPUと周辺回路のインターフェース回路の実装
●ハードとソフトの境界にも必要
通信用LSIのほとんどはOSI(open systems inter-connection)7階層参照モデルに基づく処理を行っている.
最下位の物理層(PHY層)から最上位の応用層(アプリケーション層)までのそれぞれの階層の処理については,ハードウェアで行う場合とソフトウェアで行う場合があり,その境界にはレジスタ回路を挿入する必要がある(図3).各階層の処理をハードウェアで処理するか,ソフトウェアで処理するかについてはアプリケーションごとに異なる.また,同じアプリケーションでも設計メーカや設計バージョンによって異なることがある.
〔図3〕レジスタ回路の位置の例
一つのLSIの中にCPUやDSPを備える場合,ある階層までをソフトウェアで実現し,それ以外をハードウェアで実現する.ソフトウェア処理とハードウェア処理の境界にはレジスタ回路が必要となる.