つながるワイヤレス通信機器の開発手法(12)  ──ASICを設計する(後編) CPUと周辺回路のインターフェース回路の実装

太田博之

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2004年5月27日

2.内部バスの標準規格,OCP vs. AXI

 現在,システムLSI内部のバスとしては,英国ARM社が提唱する「AMBA(Advanced Microcontroller Bus Archi- tecture)」が主流である(コラム「AMBAについて」を参照).しかし,動作周波数の向上や,一つのシステムにおけるCPUなどのバス・マスタ・デバイスの増加(例えば,冒頭のOMAPの場合,ARM925とTMS320C55xの二つ)といった問題により,新しいバス方式の必要性が叫ばれている.

 AMBAに代表されるこれまでの内部バスは,各バス・マスタの信号をマルチプレクサで統合して,衝突が起こるタイミングをバス・アービタ(調停回路)で回避する方法をとってきた.しかし,この方法ではバス・マスタの数が増えるにつれて調停回路が複雑になり,かつ,バス全体,ひいてはシステム全体の動作速度が落ちてしまうという欠点がある.特に複数のバス・マスタが搭載されるシステムLSIが多くなってきている今日では,この欠点が目立つようになってきている.

 これらの欠点を克服する規格として今年(2003年)になってAXI(Advanced eXtensible Interface),OCP(Open Core Protocol)などが提案された.AXIとOCPは,ともにVSIA(Virtual Socket Interface Alliance)が策定したシステムLSI用インターフェース仕様であるVCI(Virtual Component Interface)から派生した仕様である.VSIAは,システムLSI向けに業界標準のインターフェース仕様の定義,開発,認証,試験などを行い,その普及を目的としている団体である.その標準仕様には,データ・フォーマット,テスト手法,インターフェースが含まれる.

 AXIとOCPはそれぞれ異なる規格であるが,現在,ARM社がAXIを,米国MIPS Technologies社がOCPを推す形になっている.いずれにせよ,現時点ではAMBAのAHB(Advanced High-performance Bus),APB(Advanced Peripheral Bus)をベースに開発し,近い将来(おそらく2年後くらい)には上記のいずれかの規格に従って開発することになるだろう.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日