搭載機能が増えても車体重量を増加させないワザ ――「安全性」と「快適性」を低コストで実現する一つの解決策「LIN」

佐藤道夫

tag: 組み込み

技術解説 2004年4月 9日

3 ボディ系アプリケーションに適している

 LINが採用されるのは,主に次に挙げるようなボディ系のアプリケーションであると考えられます(図5).これらはすでに実現されている機能です.

  • ミラー:電動ドア・ミラー,エレクトロ・クロミック(EC)注5反応を応用した防眩インナ・ミラー注6(写真3)
  • ウィンドウ:挟み込み防止機能付き電動ウィンドウ・リフト
  • ドア:ロックとスーパ・ロック(すべてのドアをドライバ席からロックする機能)
  • サン・ルーフ:電動での開閉
  • インテリジェント・ワイパ:レイン・センサと連動したワイパ(雨の量をセンサで検知し,それに応じてワイパの動きを調整する)
  • パワー・シート:リモート・キーレス・エントリ(無線などを利用するかぎを用いないドアの開閉)と連動したメモリ・シート
  • エア・コンディショナ:各種センサ,スイッチと連動したエアコン
  • その他:ステアリング,ライト・システムなど

 LINを使用するメリットは,各アプリケーションをLINネットワークで接続することによって,ワイヤ・ハーネスの削減,コスト低減,より柔軟性/信頼性の高いシステムを構築できることです.

 注5;エレクトロ・クロミックは,電圧をかけると光の反射率が変わる性質を持つ素子.  注6;ミラーに当たる光をセンサで検知し,その量に応じてエレクトロ・クロミックに電圧をかけてミラーの反射率を変える.これによって,運転手がまぶしくないように自動的に制御されるものを防眩ミラーという.

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図5  代表的なLINアプリケーション
LINは,ドアやシート,ルーフなど,主にボディ系のシステムに利用されている.

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写真3 防眩インナ・ミラーの例
夜間,後続車のヘッド・ライトがまぶしく,運転しづらくなる場合がある.防眩インナー・ミラーは,ミラーの反射率を変えることで,運転者がまぶしくないように自動的に制御する機能を備えている.写真は,トヨタ自動車の「ランドクルーザーシグナス」に搭載されている防眩インナ・ミラー.

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